浮世離

水面に浮上してほんのつかの間の息継ぎ。心象風景がほとんど。

秋好中宮

手が届かなかった人というのはいつまでも印象に残る。

源氏物語の中には、秋好む中宮という女性が出てくる。

あの色好みの源氏でも、後見役に徹さざるを得なかった女性。

素敵だなと心から思えても、結果的には距離を縮めることが出来なかった人。

絶対的な距離感というのは、より心を燃え上がらせるもの。

最後は諦めるしかなくて、でもだからこそ、綺麗なまま思い出に残せるのかもしれない。