浮世離

水面に浮上してほんのつかの間の息継ぎ。心象風景がほとんど。

山姫に

山姫にちへの錦をたむけても散るもみぢ葉をいかでとどめむ

この藤原顕輔のうたがぴったりくるほど、気前よくさらさらと散り落ちる紅葉。
燃え立つような赤と輝くような黄と。
どうあがいても散ってしまうものは留めようがなく。儚く抗いようがないことは、やはり生きているということなんだろう。

ついでに言うと、葉の転がるカラカラという音を聴くと、いつも中原中也の骨という詩を思い出す。