浮世離

水面に浮上してほんのつかの間の息継ぎ。心象風景がほとんど。

蓮池に月

私が見たいのは
あなたの純白の襟元が完璧に調和されて汚されていくところ
私が今すぐ見たいのは
あなたの冷たい襟足が完璧に調和されて汚されていくところ
あなたの瞳を覗きこんでどんな顔をするのか見てみたい
宵闇暗く月は昇り秋草が枯れ果てた野原で
あなたの瞳を覗きこんで
泥と一緒に沈みこむあなたを見ていたい
そうして剃刀の冷たさをもって永遠に刻み付けたい
致命的な毒が回る感覚を
風が吹いたらさようなら
風が吹いたら