浮世離

水面に浮上してほんのつかの間の息継ぎ。心象風景がほとんど。

車窓から

暖炉で静かに燃える石炭のような空と
垂れ込める鬱屈とした鈍色の雲の間を君が行く
西に向かう少年
こうして僕らはすれ違ってしまうのかな
パッと燃え上がる新しい薪 新鮮な空気
橙色を映した頬を持つ少年
ゆったりとほら空を飛んでいくよ
君をとどめておくこと自体が無理な話かとため息をつく
反復して反復して僕らは喪い続けるしかないのか
西へ行くという少年
日が暮れてしまう
日が暮れてしまう
もうなにも見えなくなる前に