浮世離

水面に浮上してほんのつかの間の息継ぎ。心象風景がほとんど。

浮遊霊ブラジル

浮遊霊ブラジル、読了。

運命には、意表を突かれた。そうして僕らが生まれたのだとしたら、死ぬときもやはりそんなものなのかもしれない。つまり、うっかりとか、思ってないとか。

アイトールベラスコの新しい妻、では、スクールカーストという閉鎖的な空間で起こる地獄が描かれた。

地獄では、こんな地獄死ぬより辛いと思ったけれど、誰とも話さずだんだん意識だけが遠のいていくのは、結構現実味のある死に方のような気がする。

結局私達は今まであるスキルで生きてくしかない。死ぬからって、急に文学的になったり、賢くなったりしない。今あることの延長で、僕らは生きることにも死ぬことにも向き合わなきゃいけないってことだ。

タイトル読んだときに感じた強烈な違和感。浮遊霊とブラジルが読み終わる頃には仲良くてを繋いでいるのが不思議であり大成功だと思う。ブラジル辺りまで行ったら確かに成仏できそうだ。

最も強く感じたこと、死ぬより成仏できないほうがずっとずっと怖い。