浮世離

憂き世を離れて一時息をするための場所です。好きなことしか書きません。自分好みの書棚を作る気持ちでいます。

沼地に水没せし水槽

電車の中には何かの魚類の末裔が数多く息を潜めている
六月の風がさっと吹いてそのぬめりを乾かしていく
天から降り注ぐ光が藻を通して梯子のようである
わずかに尾びれを閃かし泳ぎまわり
わずかに泡を吐き出してぴくつく
電車のなかは静かなる魚類の末裔の集まりだ