2017-06-19 沼地に水没せし水槽 心象風景 電車の中には何かの魚類の末裔が数多く息を潜めている 六月の風がさっと吹いてそのぬめりを乾かしていく 天から降り注ぐ光が藻を通して梯子のようである わずかに尾びれを閃かし泳ぎまわり わずかに泡を吐き出してぴくつく 電車のなかは静かなる魚類の末裔の集まりだ