浮世離

水面に浮上してほんのつかの間の息継ぎ。心象風景がほとんど。

春爛

はらり落ちひらりひるがえり触れられぬまま返事もないままほぐれほころびほろびる ま白なタイル ひかりの粒粒 息苦しいほど濃密な白白白 広がる身体が干からびてしまう前に 揺蕩う皮膚のまっさらな鮮度 手を伸ばす 放埒な想像力 流し目 青く 朧気な どうせ泡沫と消える この世界のよそで 今灯火消え 甘く 薫り 儚く 生絹越しにのぞく月 淡い笑みを含んだまなじりは 訪れて去っていく 春の声のように 仄暗い部屋 紅が光る 僅かに指をそらせて 人目につかぬほどの静けさで 交わすのはやはり青い眼 次に声を聴かれるまでは 死んでいるのと同じなれば 気づかれるまで死んだ真似していようか