浮世離

憂き世を離れて一時息をするための場所です。好きなことしか書きません。自分好みの書棚を作る気持ちでいます。

until it's gone LINKINPARK 和訳

火が燃え上がるためには何もない空間が必要で
明るく燃えたつためには新鮮な酸素が必要で
そんなこと何千回も聞かされていたのに
今になってようやくわかったよ

いかに恵まれていたのか君にはわからなかったんだ 失ってしまうまで

周りの雑音から遠ざけ君を守れているって
俺は思っていた
君を強くしてあげられたって
俺は思ってた
でも俺は間違ってたってことに
何かが気づかせてくれたんだよ

君が自分の才能に気づいていたってことは
君がそれを一人きりで見つけたってことだから
俺は今になって君の才能がわかったんだよ
いなくなってはじめて

君は自分がどれだけのものを持っていたか知らなかったんだよ
失ってしまうまで


素晴らしい歌を聞かせてくれた
今は亡きチェスターに捧げます

もののおわりとはじまり

うすむらさきにけぶる神経に焼き鏝で焼き印をする
神経を押し潰すのだ
これ以上何も感じないようにと
そのようにしてまで守られることを願う
一切の責め苦から

妙な角度に歪んだ猫の死骸を
丁寧に葬ってやることはできなかったのか
醜さに目を背けるだけでなくして
あれ以上壊れる前に綺麗に整えて
わたしは今でも後悔している

懺悔

言葉と意味の接着を試みる私には
難しいことがわからない
言葉と意味がバラバラになる
その恐れから
ただひたすらに神の名を呼んだのだ

沼地に水没せし水槽

電車の中には何かの魚類の末裔が数多く息を潜めている
六月の風がさっと吹いてそのぬめりを乾かしていく
天から降り注ぐ光が藻を通して梯子のようである
わずかに尾びれを閃かし泳ぎまわり
わずかに泡を吐き出してぴくつく
電車のなかは静かなる魚類の末裔の集まりだ

一番青い水窟

深く潜る
積年の碧の堆積の中に
深く泣く
光の柱数知れず立つ中に
珠と浮かぶ沫を
深い水底から眺めて

石灰岩に刻まれた言葉
それはあなたの遺した傷の痕
儚く脆い岩肌に
確かに残る傷の痕

深く潜る
音の亡い世界へ
深海魚も棲まない冥府の暗がりへ

抵抗

ずるずると引きずり込まれる
漆黒の暗渠の彼方へ
錫でできた脆い楔を打ち込む
ずるずると押し流される
風の吹き荒れる墨色の谷へ
腐りかかった杭にしがみつく
精一杯の抵抗は全く虚しく美しからず
しかし流れに逆らわずまた風に吹き飛ばされていくことができない
そのような人間の醜さ貧しさ
しかし妙にぴかぴか光っている
遠くからでもその光は写る

豪奢な夕暮れ

いくらはね除けてもエメロード色の樹液が心を縛り付ける
憂鬱の香りは如何に
川面の乱反射がプラチナの手触りで私を傷つける

意味の分解した世界で
風はそよぎわたる
いくらかの無生物を引き連れて安全圏を目指す

手を伸ばしても届かない郷愁のみが救い出してくれるのだ
うす紅色の陰りの中からあの人が手招きしてくれる