浮世離

水面に浮上してほんのつかの間の息継ぎ。心象風景がほとんど。

2017-01-01から1ヶ月間の記事一覧

岡倉天心 茶の本 第五章 芸術鑑賞 より

岡倉天心の著した茶の本から、美に関して考えさせられる記載があったので、記録しておきたい。岡倉は、「美術の鑑賞力は、修養によって増大することができるものである」としているが、「われわれは万有のなかに自分の姿を見るに過ぎないのである」とも述べ…

叫びたいこと 萩原朔太郎と中原中也

萩原朔太郎の、小説家の俳句、という小論を読んでいて、詩人の本来ということを考えた。この小論は、主に芥川龍之介の残した俳句について述べたものだ。文人の余技であるとか、なかなか手厳しいことを述べていると思う。芥川の作品は全体に作り込まれたもの…

伏見

蛍光灯のチラチラする影と 虫のはぜるパチパチというおと あれは夏だったんだろう延々続く幽玄な鳥居 どこにもたどり着けないまま 森から出てこられなくなるような 神様への手向けものの馬と 白い敷石のジャリジャリという音 自分が見ているのか見られている…