浮世離

水面に浮上してほんのつかの間の息継ぎ。心象風景がほとんど。

会いに行く

ただ会いたくて、会いに行く。そんなこれ以上ないくらい、シンプルなこと。ただ会いたいって、恋だなと思う。会って何をするでもどうするでもない。ただ会いたい。一目見て、確認する。何をってわけじゃなく。あなたという人が、今日もここに存在して、世界は安心で。それって、やっぱり恋だな。

恋がもう一歩進むと、その人になりたくなる瞬間がくる。その人の好きなもの、知っても、それに詳しくなっても、何か足りない。その人がそれを選んで、それをどのように使うか、感じるか、その全てが知りたくなって。新しいもの選びとる思考回路も全て知りたくて、もはやその人になりたくなってくる。どこまでいってもあなたと私は他人で。絶対にあなたにはなれないのに。どんな形であなたを所有してもしてもしきれない。あなたはあなたで私は私。そんな簡単なことがなぜこんなに苦しいのだろう。