浮世離

水面に浮上してほんのつかの間の息継ぎ。心象風景がほとんど。

サカナクション讃歌

ある日、FMから聞いたことあるはずのに、聞いたことない曲が流れてきて、驚いた。その前の週もどこかで聞いたような、それどころか20年くらい前も聞いたことがあるような。正確には、これはシンディーローパー的80年代、と思った。だけど、よくある曲だったら、耳をすり抜けて行っただけだっただろう。でもこの曲はなんだか違った。そんなことが、2回くらい続いて、やっと曲名を知った。サカナクション新宝島

サカナクションの名前は前にも聞いたことがあったような気がした。同時期のバンド達とごちゃまぜになってはいたけど。新宝島が妙に耳に残って、YouTubeを見て、レンタルCD店に行った。新宝島は新しいらしくなかった。試しに一枚だけ、と思ってレンタルしたのが、sakanactionだった。

ラジオを聴く、というのは、多様性の一部なんじゃないかという気がしてる。誰か知らない人のお気に入りの一枚を聴くということは、自分の好きな曲だけを選んで聴いていたら絶対に起こらないことだ。うすく広く平等に注意をさ迷わせること。

それで、家に帰ってCDをかけた。思えば、CDを聴くのは久しぶりで。大抵今までウォークマンにいれた曲で回していたから。平気で10年くらい経ってたんじゃないか。思い入れのあるCDも全部捨ててしまっていたし。そんなで、CDをかけた。意識しないと他のものって入ってこなくなるんだな、とか思いながら。

電子音の踊れる系なんだとまず意外に思った。バンドというイメージが先行してたので。音の広がりの気持ちよさ。うねったり、歪んだり、遠くまで響いたり。感覚的に魅了された。それから、歌詞に惹き付けられた。なんというか、端的で、簡単なんだけど、何かを伝えてくるんです。何かはうまく言えない。焦りだったり、嘆きだったり、ノスタルジアだったり、悲しみだったり、強い意思だったり。その時々の、サカナクション、同時に私たちがそこにある感じがするんです。君も彼も僕らもびゅーんと一緒にとんでまるで走馬灯のようなんです。

音楽と詩とが素晴らしく解け合ってる。日本的なリズムがいつも取り入れられてるので、それが心をつかんで離さない点だと思う。盆踊りや、祭りの音楽がベースにあるんだと思ってるのですが。とにかく新しくて古くてかっこいいってことです。

それで、現在までにアルバムは4つ聴きました。ベスト10書いてる人がいて、羨ましかったので、真似したい。ただ順列はつけないで、列挙したい。

sakanactionから。
ミュージック
夜の踊り子
なんてったって春だ
僕と花

documentaryから。
アイデンティティ

シンシロから。
Ame(B)
ライトダンス
ネイティブダンサー


kikkuukiから。
アルクアラウンド
表参道2時

サカナクションは、何かに片寄ることがないような気がする。どの要素もバランスよく取り入れてる気がする。その上で個性が出せるのだから、素晴らしいというよりほかない。