浮世離

憂き世を離れて一時息をするための場所です。好きなことしか書きません。自分好みの書棚を作る気持ちでいます。

致死量

車窓をうつろうのは大きな影。
耐えがたいはそれがすっぽりと私を包み込んでいること。
世界は大きな黒い幕。
皮膚に張り付き毒を注ぎ込む。

飛ぶ鳥落とせよ。
瑠璃色の盃から零れる青空。
押し潰そうとする憂鬱の影。
私を守る優しく白い手はいずこかに消え失せたままで。
声が声を呼んで、手が手を求め、言葉が首飾りのような連なりを見せて、柳の端に落ちかからんとする私を繋ぎ止める。

銀色に光る空、この憂鬱を止めてよ。
藍の底に沈みこむ私を
引き上げ吊り上げ
蘇生させてほしい。

このようなとき、一切の神は不在である。