浮世離

水面に浮上してほんのつかの間の息継ぎ。心象風景がほとんど。

綺堂むかし語り

今、岡本綺堂のむかし語りというのを読んでる。県立図書館が、蔵書を見せてくれるようになったので、足を運んだ時に、偶然見つけた。
明治10~30年頃のことが、鮮やかによみがえる感じがする。世の中はもっと大らかだったろうし、もっと刹那的だったんだろうなと、推測する。
日経新聞で吉原に関する記事を読んだせいかもしれないけれど、今よりずっと病気で死んでしまうことは多かったんだろうと思う。なすすべもなく、死んでしまう。来年を迎えられるかもわからない。そんななかで、人は生き生きと生きていたようにも思う。精神構造が根から違うのかもと思うけれど。
今の時代は命が重く、長く、よりよく生きていかなければいけないという、プレッシャーのようなものがあるのではないだろうか。