浮世離

水面に浮上してほんのつかの間の息継ぎ。心象風景がほとんど。

2016-11-21から1日間の記事一覧

江戸川乱歩 押し絵と旅する男 のぞきからくり見物記録

先日、のぞきからくりを見物する機会に恵まれた。 江戸川乱歩の「押し絵と旅する男」が好きで、何回も読んでいたので、のぞきからくりが来ると知って、しかも数日で終了してしまうと知り、是非にも行かなければと気持ちが逸った。今回の演目は、八百屋お七。…

清らかなるかな花は月は

僕の記憶 あなたの襟元に冷たい泥の塊を押し込んだ 蓮池に風はぼうぼうと吹いて 蓮の実笑うようにカラカラと震えた あなたはにっこりと笑った これ以上の満足はないというかのように 月は煌々と辺りを照らし ざあっと薄が一群揺れた 二人して飲んだ毒は紫 二…

蓮池に月

私が見たいのは あなたの純白の襟元が完璧に調和されて汚されていくところ 私が今すぐ見たいのは あなたの冷たい襟足が完璧に調和されて汚されていくところ あなたの瞳を覗きこんでどんな顔をするのか見てみたい 宵闇暗く月は昇り秋草が枯れ果てた野原で あ…