浮世離

水面に浮上してほんのつかの間の息継ぎ。心象風景がほとんど。

悔やむ日

君が帰ってきたような気がして窓の外を見る
あるのはただ風に吹かれて転がった如雨露だけ
細い枝を鞭のように唸らせて風はただ吹きすぎる
その風は萩を揺らし麦を揺らし真白な月を掠め今しがた君のところから吹いてきたばかりのように思える
大空は寒としてただ真っ青である
なんで君はもうここにいないんだろう
きらっと一筋落ちた晩の流れ星が君だったんだろうか
枯れ葉が一枚風に舞う吹き飛ばされる転がる
しらしらとただ静かな冬の日である
鳥が一斉に飛び立ち何かの終わりを告げる
何が正解で何が間違っているのか
それを決めるのは他ならぬ自分だけれども
風に吹かれ吹かれしている間にすっかり襤褸になった